紫外線は皮膚だけではなく、目にも悪影響を与えます。
白内障にかかりやすいという統計が出ています。白内障というのは眼球の水晶体が濁って視力が低下したり、症状が進んでしまうと失明してしまうという病気です。
一番多いのは老人性白内障ですが、最近紫外線によって白内障にかかったと考えられる人が世界中で増えています。
眼球に光が入って水晶体がピントを合わせているのですが、紫外線が角膜を通って水晶体で吸収されるときに悪影響を与え、タンパク質に変化を起こして濁らせてしまっていると考えられるのです。
世界中に白内障で失明した人は1600万人を超えるのですが、このうち少なくとも2%近くの人が紫外線による失明だと考えられています。
というのも紫外線が強いネパールやチベットといった高地に住んでいる人たちが白内障にかかる確率が高いからです。
逆に紫外線が弱い北欧では患者数が低いのです。
国連環境計画(UNEP)の1994年の報告で、オゾン層が1パーセント減少してしまうと、白内障にかかる人が0.6~0.8%も増加すると予測されるそうです。